
こんにちは、ニャックです。
インフラ運用の仕事を10年以上続けていると、
いつの間にか「立場」が変わる時期がやってきます。
サブリーダーになり、リーダーになり、
気づけば現場で手を動かすだけでなく「判断をする側」に回っていました。
もちろん、キャリアとしてはありがたいことだと思っていましたし、
任される範囲が広がることにやりがいを感じていた部分もあります。
でも、
正直に言うと、
そこから「しんどさ」の質が一段上がりました。
単純に作業量が増えたから、
というわけではありません。
自分の中で「背負うもの」の重さが、
ガラリと変わってしまったのだと思います。
何かを判断する、選択するという行為は、
思っている以上にエネルギーを使います。
そして、
その判断に責任を持つというのは、
想像以上にストレスがかかる。
それを、
実際にその立場になって初めて知りました。
今回は、
インフラ運用のリーダーになってから僕が何に苦しさを感じていたのか。
当時の揺れる気持ちを整理してみます。
リーダーで増えたのは「作業」より「終わりのない判断」だった
プレイヤーの頃は、
目の前のタスクに対して手を動かしていれば、ゴールが見えていました。
もちろん技術的な難しさはありますが、
「やり遂げれば終わり」という感覚があったんです。
ところが、リーダーになって増えたのは「終わりが見えない判断」の連続でした。
- 何を優先し、何を後回しにするか
- 誰に、どのタイミングで仕事を振るか
- このリスクを今取るべきか、回避すべきか
- 誰に対して、どの程度の粒度で状況を説明するか
こうした判断には、絶対的な「正解」がありません。
判断が遅れれば「現場が止まっている」と言われ、
早すぎれば「根拠が足りない」と問われる。
作業は終われば解放されますが、
一度下した判断の重みはずっと頭の片隅に残り続け、
なかなか消えてくれませんでした。

「終わりが見える仕事」から、「終わりが見えない責任」へ。
そこが一番きつかったです。
窓口になると、心がずっと“待機中”のままになる
リーダーの役割を担うと、
必然的にあらゆる連絡の窓口になります。
顧客からの問い合わせ、
営業からの相談、他部署からの確認依頼。
何かトラブルが起きたとき、
最初に呼び出されるのも自分です。
ここで一番こたえたのは、
「いつ連絡が来るか分からない」という不安が日常に溶け込んでしまったことでした。
スマホの通知が鳴るたびに、心拍数が上がる。
何も起きていない穏やかな時間でも、
頭のどこかがずっと“待機中”のままで、
完全にオフにできなくなっていました。
結果として、仕事が終わって家に帰っても、
本当の意味での「回復」が追いつかなくなっていきました。
「説明責任」の重圧。原因不明の時ほど削られる心
インフラ運用において、
障害そのものよりも消耗するのが「説明」の時間だったりします。
システムが復旧しても、
そこで終わりではありません。
「なぜ初動がこの時間だったのか」
「なぜその判断を下したのか」
「根本原因は何で、どう再発を防ぐのか」
特に苦しかったのは、
暫定対応で復旧はしたものの、
根本的な原因がまだ闇の中にある時です。
原因を必死に調査しながら、
同時に「報告」を求められ、新しいタスクも降ってくる。
「どうやって今日を乗り切ればいいのか」と、
そればかりを考えていた時期がありました。

“調査中です”と言い続けるのが、地味に一番しんどかったかもしれません。
家族との時間と、削れていく自分の余白
もし仕事だけに向き合えばよかったなら、
まだ踏ん張れたのかもしれません。
でも、僕には大切な家族がいます。
妻がいて、未就学の子どもが2人いて、
家のことも当然回していかなければなりません。
睡眠時間が削れ、
精神的な回復が追いつかない状態でリーダーとしての判断を求められる。
そうなると、
どうしても判断力が鈍り、集中も続かなくなります。
そんな自分に対して、
「自分は仕事ができない」「向いていないんじゃないか」と自責の念に駆られてしまう。
今思えば、それは能力の欠如ではなく、
単に人生というシステムにかかっている負荷が高すぎて、
リソースが枯渇していただけだったのだと思います。
「向いてない」の前に、人生がSPOFになっていた
しんどかった時期、
僕は何度も「自分はこの役割に向いていない」と自分を責めました。
でも、
後から立ち止まって振り返ると、
別の景色が見えてきました。
自分の生活も、心の安定も、
家族を守れているという自負も。
すべてを「仕事がうまくいっていること」という一点に預けすぎていたんです。
インフラの用語を使うなら、
自分の人生の中にSPOF(単一障害点)を作っていたような状態でした。
「仕事というサーバーがダウンしたら、
人生のすべてが止まってしまう」
そんな危うい前提で生きていたことが、
一番の苦しさの原因だったのかもしれません。
ニャック仕事が大事なのと、仕事に全部預けるのは、別の話でした。
ここから読めます
直前の記事です。限界のサインを5つに整理しました。

仕事・家庭・お金を「切り離して」考えることで、ようやく少し楽になれた話です。

体が止まりかけた日の、生々しい記録です。

限界のサインを、体験ベースで整理した記事です。






