
こんにちは、ニャックです。
インフラ運用の現場で、中堅からベテランと呼ばれるようになると、
口癖のように増えてくる言葉があります。
「あ、いいよ。(自分でやった方が早いから)」
この言葉、一見すると仕事が早くて頼りがいのある、
“デキるエンジニア”のセリフに聞こえますよね。
僕も、ずっとそう思っていました。
でも、ある時から気づいたんです。
この言葉を口にするたびに、
自分の首が、少しずつ絞まっていることに。
今回は、「自分でやった方が早い」という考えに潜む、
静かだけど無視できない怖さについて書いてみます。
「自分でやった方が早い」の正体
「自分なぜ、私たちはこの言葉を選んでしまうのでしょうか。
理由を並べてみると、どれも一見「正論」です。
- 説明するより自分でやった方が早い
- 任せてミスされるくらいなら、自分がやった方が確実
- 自分が一番詳しいのだから、自分がやるのが筋
どれも間違っていません。
むしろ、仕事に対する誠実さや責任感から出てくる考えだと思います。

ただ、その誠実さが、
知らないうちに自分を追い詰めることもあるんですよね。
気づけば、自分が「最大のボトルネック」になっていた
「自分でやった方が早い」を繰り返した結果、
現場はどうなるでしょうか。
障害対応、調査、調整、説明、重要な設定変更。
気づけば、重要度の高いタスクが、
ほとんど自分のカレンダーを埋め尽くしていました。
誰かがサボっているわけでも、
悪意があるわけでもありません。
ただ、
「ニャックさんがやった方が早いし、確実だよね」
という空気が定着していっただけでした。

頼られていると錯覚していましたが、
実際は「自分がいないと回らない=自分がいなければ詰む」
という、かなり脆い状態を作っていた気がします。
「自分がいないと回らない」は、自由がないのと同じ
この状態が一番きつかったのは、
精神的な逃げ場がなくなることでした。
- 有給を取っていても、スマホの通知が気になる
- 子どもと遊んでいる最中に、仕様の電話が来る
- 「もし今、自分が倒れたらどうなる?」という不安
特に家庭を持ってからは、
この負荷を無視できなくなりました。
物理的な勤務時間だけでなく、
脳内のリソースまで、24時間仕事に支配されている感覚です。
この「逃げ場がない感覚」は、
抱え込みだけが原因ではなく、
夜間対応が生活に溶け込んでいく中で、
少しずつ強まっていったものかもしれません。

「遠回り」を受け入れるようにした
この状況から抜けるために、
僕はあえて「遅くなること」を選びました。
- 自分がやれば5分の作業を、1時間かけて説明する
- 100点ではなく、80点を許す
- 自分しか知らないことを、マニュアルにして手放す
正直、最初はかなりストレスが溜まります。
自分でやった方が圧倒的に早いし、もどかしい。
でも、その遠回りをしない限り、
いつまでも自分は現場から降りられず、
心から休むこともできないと感じました。
「手放す」ことも、エンジニアの技術
「自分でやった方が早い」は、
短期的には、たしかに正解です。
ただ、長く続けていると、
組織も自分も、少しずつ苦しくなっていく気がしました。
もし今、
- 抱え込みすぎている
- 静かにしんどい
- ずっと気が抜けない
そんな感覚があるなら、
一度そのタスクを、
あえて遅い方法で手放すことを考えてみてもいいかもしれません。

評価が下がるのが怖い気持ちもありました。
でも今は、「自分がいなくても回る状態」を作れる人の方が、
長く信頼される気がしています。
僕も、まだその練習の途中です。
「抱えない」と決めても、
すぐに答えが出るわけではありません。
僕自身は、
辞める・続けるを感情だけで決めないために、
一度、考え方を整理しました。

一人で背負うのをやめたとき、
インフラエンジニアとしての見え方は、
少し変わってきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






